59期の修学旅行レポートです。
今回は平和学習について。
11月9日から4泊5日で実施された、第59期修学旅行について、引率の櫻井先生からレポートをもらいました。
北星余市の修学旅行は、沖縄での平和学習と体験学習の2つの目的で実施されています。修学旅行の1ヶ月ほど前から実行委員会を立ち上げ、平和・レク・新聞の3班で準備を進めていきます。
沖縄は、日本で唯一の地上戦が行われた場所であり、1972年までアメリカ統治が続いた場所です。そして、現在でも日本国内の米軍専用施設の7割が集中しています。そのような歴史や実態を学び、現地で戦跡や現状を自分の目で確かめる機会となります。
それでは、ここから櫻井先生のレポートです。
・事前準備
平和班の動き出しは、中間テスト後からでした。最初の会議では、「まず沖縄についてみんなはどんなことを知っているのか?」、「沖縄ってどんなところだろう?」という、抽象的な部分から入りました。沖縄がどんなところなのかを知らなければ、平和学習に行き届かないと私自身が判断したため、次の月曜日までに個人で調べてもらうことにしました。
調べた結果として、メンバーは観光資源(サンゴ礁やビーチなどの自然の美しさ)や琉球から続く沖縄独自の文化、そして、沖縄戦の歴史や現在の基地問題など様々な角度から沖縄を調べてきました。
授業で学んだことや自分たちで調べてきたことを平和班全体で昼休みや放課後を使い、共有しました。メンバーは平和学習を通して、「戦争を繰り返さないための教養をつけ、沖縄とはどんな場所なのかを現地で感じ取り、生徒自身がそれぞれ自分の考えを持ってほしい。」という点を59期全員に伝えることを目標にし、それを伝えるために平和班としてどのような行動を起こしていくか、そこが私たちのスタートとなりました。
2日目の平和学習の流れは、山城本部壕→ひめゆりの塔・ひめゆり資料館→平和祈念公園・平和祈念資料館→首里城、となっていたので、各場所についての歴史や見どころを新聞に書き、「平和新聞」としてみんなに紹介しました。新聞を配布するタイミングも平和班のメンバーで相談し、「どの時間に配ったらみんなが見てくれるか」、「一気に配らないで、1日置きなど日を空けて配ったほうが見てくれるんじゃないか」などそれぞれが意見を述べ、考えていました。その結果、平和新聞に目を通している生徒が多く、メンバーたちも、手応えを感じていました。
新聞の写真①
新聞の写真②
・修学旅行での平和班の活動
平和祈念公園の「平和の礎」の前で、平和集会を行いました。自分たちの口から平和について語り、2日目の平和学習を通して、59期のみんなにはあらためて「平和」に向き合ってほしいというメンバーの願いの下、平和集会と平和宣言をしました。平和集会の司会は阿久根春輝さん、平和宣言を担当したのは板東花恋さんでした。
平和宣言は以下の通りです。
みなさん、「さとうきび畑の唄」、というドラマを知っていますか。これは、家族の笑顔や幸せが第二次世界大戦、沖縄戦によって奪われてしまう、というストーリーです。
今から79年前の3月26日、ここ沖縄で唯一の地上戦が行われました。この戦いで20万人以上の死者を出し、沖縄県民の4人に1人が亡くなりました。親族や友人などの大切な人が亡くなり、帰る場所も食料もなくなりました。今私たちが、毎日のように通っている学校にも行くことができず、私たちが予想もできないような悲劇がここで起こりました。
“このような出来事を繰り返してはいけない”。そのために私たちは、戦争が非常に残酷なものであること、そして、失うものしかないということを忘れてはいけません。
しかし、今現在、世界各地で戦争が起こっています。その戦争の中で大勢の人が苦しみ、亡くなり、大切な人をずっとずっと待っている人もいます。私たちの今ある生活が戦争と隣り合わせである、ということを理解し、このような悲劇と向き合い、他人事ではなく自分事として考えなければいけません。
私たちが事実と向き合い、「平和とは何か」を学び、考え、そして、その考えを今後の未来に繋げていくことをここに宣言します。
平和集会
このような流れで平和班は活動をしていましたが、修学旅行が終わりを迎えても私たちの活動は続いています。生徒一人一人が平和学習の感想を現地で書き、平和班が回収し、それを模造紙に貼りつけ、校内に展示しようと考えています。59期の生徒全員が「平和」というものを、今ある日常の“あたりまえがあたりまえじゃない”ことを意識し、毎日をかけがえのない日々として過ごしていくために…