2017年度弁論大会、課題の部のご紹介です!
さてさて、またまた時間が経ってしまいましたが、校内弁論大会が先週の水曜・木曜と実施されました。
北星余市の弁論大会は、高文連の弁論大会の後志地区大会を兼ねた大会となっています。したがって、本大会で最優秀賞をとった生徒は全道大会に出場することになります。
今日は課題の部のご紹介。みんな、いい顔して発表してくれてます。
そして、今年度、課題の部で最優秀賞をとった澤さんです!いえーい。
今年度の課題の部の題は「gift」。贈り物ですね。彼女にとっての贈り物はなんだったのか。ちょっと、原稿をみてみましょ。
赦せなかった。自分のことも、人のことも。
人が自分の思い通りにならないことも許せない。
人が自分を否定してくることも許せない。
自分のことを、大切に思えない。自分の価値なんて見出せない。
でも、誰かに、自分の価値を見出してほしい。
そんなやり場のない寂しさを紛らわすかのように、欲望の趣くまま、過ごしていた。
何をやっても満たされなかった。
なんで私はこうなんやろう?
自分は全然ダメだと自覚していたのに、何一つ改善できなかった。
気がつけば、手首には傷が増えていった。
そんな弱さや矛盾を引きずったまま、高校へ入学して、あっという間に1年以上が過ぎた。
上手くいくはずがなかった。
たくさんの人の信頼を失った。
そんなある日、友人に、「教会の日曜礼拝に行こう」と、誘われた。
早起きは苦手だし、教会にもそこまで興味はなかった。
しかし、その友人と仲良くなるきっかけがほしいと思い、行くことにした。
私は高校に入学するまで、1度も聖書というものに触れたことがなかった。
学校の礼拝の時間に、初めて聖書を開いてみても、
「なんでこんなに大胆に、綺麗事ばっかり書いとるんやろ?」と思った。
主な登場人物であるイエスにも、まるで興味がなかった。
十二使徒って誰?福音って何?
私にとっては、礼拝の時間も、聖書の時間も、退屈以外の何物でもなかった。
しかし、そんな私が、教会で、賛美歌を歌い、聖書を開き、牧師さんの話を聞きながら、なぜか心が穏やかになっていった。
「敵を愛し、あなたがたを憎むものに親切にしなさい。悪口を言うものに祝福を祈り、あなたがたを侮辱する者のために祈りなさい。あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい。」
ルカによる福音書の中にこんな言葉を見つけた。
ここでの敵とは、自分自身に悪口を言う者、暴力を振るう者、もっと極端に言うと命を狙うものを指す。
私は、この言葉に強い違和感を覚えた。有り得ない。
どんなに心が清らかな人間でも、このような考え方なんて出来ない。
でも、心の中に神の存在を置くことでもしかしたらこのような考え方も出来るのかもしれない。
「自分と同じように周りの人へ愛を持って接する、しかもそれは、見返りを求めない無償の愛であり、家族、友人、恋人など近い存在にだけのものではない。」
聖書の中には、人を自分と同じように大切に思う、思おうという大きな愛がある。
そう考えたとき、牧師さんの言葉のひとつひとつも、不思議と、私の心の中にすっと入ってきた。
「こんなにも、人のことを赦し、無償の愛を注ぐという考え方、つまり、本当の意味で人のことを大切にしようとする考え方がある」ということを、初めて知った。
そう考えると、なんとなく、人のことも赦せるような気がしたのだ。
そこで、改めて、これまでの自分を振り返ってみた。
自分の価値を見出せない。
でも、誰かに、自分の価値を見出してほしい。
人から認められることこそが、自分の存在意義だと思っていた私。
でも、自分のことを赦すのも、本当の自分の価値を見出すのも、自分自身なんだ。
「認めて欲しい。」「価値を見いだして欲しい。」
今までの私は、人に求めてばかりだった。
人に求めすぎるから、思い通りにならないと赦せなくなる。
今は、少しだけ、人に贈ること、与えること、赦すことの意味がわかった気がする。
それは、見返りを求めない無償の愛だ。
私はそんな考え方が自然にできるようになりたい。
少しずつでもいい、人を自分と同じように大切にして生きていきたい。
私はいま、かけがえのない贈り物をもらった。
本当の意味で、人を「大切にしたい」という心。
本当の意味で、人を「大切に思いながら生きていく」という考え方だ。
うむ。全道弁論大会に向けて、練習も、原稿の練り直しもこれから必要になりますな。がんばれー。
ちなみに、たぶん、この生活の中でギフトされた『人を「大切にしたい」という心。』『本当の意味で、人を「大切に思いながら生きていく」という考え方』は、いろんな場面で自分が試されることになるでしょうな。でも、気がついているあなたは、その要素を持っているということなのかもしれないな。神様は乗り越えられない試練は与えないともいうしね。うん。それもまた、頑張って欲しいものです。ええ。頑張れ。