経験を豊かにする、イベントや取り組み 2019.6.14

第4回目の進路カフェ|南アフリカからロンドン経由30000キロを3年かけて自転車で日本に帰ってくるってどゆことですか?

大阪府出身MAYUさんとイギリス出身ELLIOTさんご夫婦が貴重な体験を話しにきてくれました。

田中 亨

遡ること1年前。

北星余市に溶け込み、カメラマンを務め、今は総合講座の講師もしてくれている辻田さん Mihoko Tsujita が誘ってくれました。

※ちなみに、今日の記事の写真は全て 辻田さん Mihoko Tsujita が撮影してくれたものです。

「20年ぶりにあった地元の先輩が素敵なことしてて。今度トークイベントがあるんですけど聞いてみません?」

聞きました。

もうこれは生徒に聞かせたい!!って思いました。
人生、そんな選択あんのかーい!って驚きでした。

ということで、進路カフェにお招きです。

お二人の名前は、MAYU & ELLIOT。日本人女性とイギリス人男性のご夫婦。

2 ISLAND TRAVELLERS
mayu_elliot|Instagram

MAYU ROWE(マユ・ロウ) 大阪府出身

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ELLIOT ROWE(エリオット・ロウ) イギリス出身

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こんなお二人です。

 

そして、話してくれたお二人のストーリーは、ざっとこんな感じ。

大阪府出身のマユさん、専門学校卒業
  ↓
就職して2年間働いた後、イギリスに留学
  ↓
 エリオットさんと出会う
  ↓
 結婚する
  ↓
南アフリカに住む
  ↓
南アフリカから出ることにする
  ↓
飛行機で帰ってくればいいものをわざわざ自転車という手段を選んで帰ってくることに決める(しかも自転車素人なのに!)
  ↓
南アフリカ → エリオットの故郷イギリスにちょっと寄ってから → 日本
合計3万キロ、3年間かけて。

どうですか。もう、これ見ただけでも「なんで??」ってこといっぱいありません?

約1時間たっぷりとお話ししてくれました。

 

見てください、生徒のこの表情。

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今堀先生も集中してるし・・・

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本間先生に至っては、お口が開いちゃってるって感じです。
本間先生、感心するとこういう顔よくします。

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もちろん、そんな真剣な話ばかりじゃなくって、笑える話も多いから、こんな笑顔も出たり。

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1時間程度二人のストーリーを聞かせていただいたあとは、机を囲んで近い距離でのトークタイム。

名前、学年、出身地、好きな食べ物、参加した動機、話を聞いた感想を順番に発表していき、質問があったらその中に織り交ぜながら発表していきました。

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マユさんとエリオットさんの話を聞いてるとですね、その選択は、はっきりいって、行き当たりばったりです。もうね、人生、行き当たりばったり。

例えばいくつかあげると・・・

  • マユさんがイギリスに留学してエリオットさんに出会ってお付き合い開始。マユさんが帰国して遠距離になった二人が「再会しようね ❤️ 」って待ち合わせた場所はインド。なぜなら、二人のちょうど真ん中に位置する国だし、行ってみたかったから。
  • その訪問した先のインドで6000m級の山に二人で登る。それが人生の初登山。そして遭難。もう一度言います、遭難です。
  • 結婚して二人が住んだのは南アフリカ共和国ですが、なぜその国かと言われれば、エリオットさんがデザインの仕事で知り合いに誘われたから。
  • そんな南アフリカを発つとき「帰国前にもっとアフリカを知りたい、だってもうこないかもしれないじゃない?」と考えた二人は、飛行機という手段をやめ、お金がかからないし、じっくり見て回れるという理由で自転車という手段を選択。
  • それは自転車の知識があったから選択したのかと言われればそうじゃない。自転車についてまったくの素人だった。エリオットさんが師として仰いだのは天下のYoutube先生。

 

どうですか、この行き当たりばったり加減。徹底していますよね。最高レベルの行き当たりばったりだと思います。

そんな話を聞きながら僕らは時に聞き入り、時に笑い、感心していたわけですが、これを読んでいる今、そんな行き当たりばったりの人生を否定的に感じられる人もいるかもしれません。あるいは、大事な人であればあるほど、その人が「そうしようかな〜」なんて行ったら、こんな思いが頭をよぎるかもしれません。

「そんなことして危ない!」
「そんなことして死んだらどうすんの!」
「そんな生き方して将来どうすんの!」

けどね、マユさんとエリオットさんはこう教えてくれました。

私たちがアフリカに住もうとしたときも旅をしようとしたときもいろんな人たちが危ないとその選択を否定してきました。けど、そういう人たちの多くはそれをしたことのない人たち。経験したからこそ振り返って言えるのは、すべきなのは、それをしたことのない人たちじゃなくって、したことのある人たちの話に耳を傾けてみることなんじゃないかって思います

いや、それな!って感じです。

忠告してくれる人の多くは、心配してくれているんです。その気持ち自体はありがたい。けど、僕もマユさんとエリオットさんの言ってることが正しいと思います。

やる前に危険だからとやめてしまったらそれで終わり。やってみたことのある人の話を聞いてみないと参考にならない。そういうことですね。

ちなみに、そうはいっても僕も大事な人がこういう選択をしようとしたらちょっと心配になります。そういうときは「もうめっちゃ心配だよ。生きて帰ってきてよ、ほんと、涙涙」って伝えます。それで十分伝わるし考えてくれるはずです。

危ないから、、、という理由でとめることも選択しないことも否定しません。安全安定は大事ですからね。そういう生き方があってもいい。

けど、それで機会を損失することはもったいない。それもまたひとつの大事な考え方です。世界の幅を狭めてしまう。自らの可能性を狭めてしまう。危険だと思うならそれを経験したことのある人から学べばいいんです。そして積み上げた経験はその人の糧になっていくんです。

 

植松努さんも「やったことのない人が反対をしてくる」って同じようなことを話してくれています。

 

そして、お二人が最後に話してくれたこと。

なにかするときに、なんでこれをするんだろう?って理由を考えると思うんだけど、でも理由っていうのは意外とやる前じゃなくって、やった後に分かるものなんじゃないかなって思ったんですね。私たちのこの自転車の旅も最初「旅を成し遂げる!」とか「挑戦!」とかそういう気持ちで始めたんだけど、実際私たちがこの旅で得たものはそういうものじゃなくって、人の優しさだったり、自然の美しさだったり、自分たちにとっての豊かさとは何かってことだったり、そういう全然違うことだったんですね

いや、ほんとです。僕も小学生の頃から母親に「あんたの計画を立てる力は天下一品だね 」って言われるくらい計画を立てるのは好きなんですが、まぁ、人生、計画通りにいくことなんてそうそうないですね。考えたらそりゃそうです。自分の意思だけでなんとかできるものはなんとかできますが、他者との関わりにおいて生まれることは偶発性の高いものが多いですからね。

大人に「あなたの人生は計画通りですか?」
って聞いたとき何人が、YES!と答えられるか。

意味は後からついて来る、ほんとそうです。もっといえば、自分が何を感じるか、自分が何をみるかってことです。

 

僕の好きなスティーブ・ジョブズが2005年スタンフォード大学の卒業式で語ったスピーチも同様のことを言っていますね。

you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.

あなた方は、これからの点を将来に繋いでいくことはできません。あなた方は振り返って、それらを繋ぐだけです。 
ですから、あなた方は、現在の点が、とにかくあなた方の未来に繋がるということを信じるのです。

「行き当たりばったり」って「出鱈目」って意味で否定的に使われることが多いですが、文字面だけ追えば、「行き当たり」で「ばったり」じゃないですか。

僕はそこに出会いを感じますね。そのばったり出会った事柄をどう運んで行くか。大事なのはそこなんじゃないか。大げさに言えば、そうして命を運んで言った先が運命なんじゃないか。

そして、ばったり出会ったことに対して、何も考えずにいるのではなく、丁寧に向き合いながら、まずは選択をしてみるということが大事なんじゃないか。丁寧に向き合った結果、選択しないという選択でもいいのだろうと思います。

そう考えたら、冒頭に挙げたお二人の行き当たりばったり行動は素敵だよなぁ、と思うわけです。

参加した生徒たちも「まずはやってみることが大事なんだと思った」という子が多かったですね。

そんなマユさんとエリオットさんのお話でした。

マユさん、エリオットさん、ありがとうございました!

つないでくれた 辻田さん Mihoko Tsujita にも感謝です!!

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後日、マユさんがFacebookに投稿してくれていた感想もご紹介したいと思います。生徒の感想なども集まったら掲載しようかな。

ひょっとしたら、このブログを見て「この話を子供たちに聞かせてみたい!」「大人の私たちが聞いて見たい!」と思う方もいるかもしれないですね。都合があえばお二人ならお話ししてくれるかも。興味のある方は、下記、北星余市のLINEアカウントから僕宛に連絡してみてください〜。

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Photo by Mihoko Tsujita 
THANK YOU (^_^)

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