広報物・出版物
「北星余市で劇的な変化を遂げた俺たちも本を書きたい」
前生徒会長の後宮君の申し出がきっかけで、15人の生徒と卒業生が勇気を持って辛い過去と向き合い、平均6000文字に及ぶ自伝を書き上げました。
どの子にも辛さを乗り越えたからこそ見えてくる優しさがいっぱいあります。
そして、今ある自分を支えてくれたすべての人に、心から感謝の気持ちを抱く人間に成長しています。
だからこそ、彼らの思いを綴った文章には、今苦しみもがいている子どもたちに「大丈夫だよ」の力強いメッセージになっているように思います。
生徒の手による若者の心に訴える、新しい試みの本です。
本のイメージづくり、写真やタイトルの選定、題字、リード文。KEN―Uの帯のメッセージも、みんな生徒の感性が生きています。
日高敏景さん(朝日新聞郡山支局長)
全国から中退・不登校の生徒らを受け入れて19年になる北海道余市町の北星学園余市高校の教育相談会が10日、郡山市で開かれた。それを機に県内在住の卒業生の親たちと話をする機会があった。
「北星余市」のことは、卒業生でもある同校の元教諭が書いた本やドラマなどで知った人もいると思う。ただ、現実はドラマとは違う。かつて北海道で勤務していた私は、一部の熱血教師がいるのではなく、教師全員が生徒一人ひとりと真正面から向き合う姿を目の当たりにし、心を動かされた。
悩みを抱えながらも、仲間との触れ合いや葛藤の中で成長していく生徒たちもまた、この学校の主人公だ。その生徒たちが「自分の体験を同世代の若者に伝えたい」と学校側に訴え、「しょげてんな!!ひとりで悩む君へ北星余市から15人のエール」(教育史料出版会)という本になった。機会があれば、彼らのメッセージをぜひ読んでほしい。
一少年(福井少年鑑別所)
僕が今回読んだ本は、後宮嗣さんの話で、タイトルが「俺はこんなに大きくなったよ」です。他にもいろいろな話があったんですが、この題名と次のページに書いてあった「人の成長はなあ・・山登りなんや。今お前は辛いと思う。でも、それでええ。このまま登り続けてみい。」というのを読んで、この話を読もうと思いました。
嗣さんは、小学生の時、酷いいじめではなかったけど、小学生の嗣さんにとっては辛い学校生活を送っていて、中学校に入ってはじめてヤンキーを見て自分もヤンキーになれば強くなった感じがしたと書いてあって、そこらへんは僕の小さい時と似てるなあと思いました。
そして、嗣さんは人に認めてもらおうと必死になってすごく悪い方の道に進んでいって、そのまま高校に入っても、喧嘩などを繰り返して、最後には自分が素直になれないだけで学校を辞めてしまって、もっと落ちこぼれになっていたときにひとりの人と出会ったことで、嗣さんの人生が変わることになって、すごくいい人に出会ったと思います。その人と出会ったことで、また学校へ行こうという気持ちになったのだから、すごいなと思いました。その人は太一君という人らしく、その人??言葉や態度すべてが大人だったみたいで良い目標になる人ができて良かったと思います。ここら辺もすごく僕と似ているなと思いながら読んでいました。
その人と出会ったことで、今までの学校生活とは全く違うようになっていつのまにか他の人の相談など夜遅くまで聞いている人になっていて、すごく大きな人になったんだと思いました。本当は、他の人の相談を聞く余裕なんかないのに自分を変えるためにとがんばる嗣さんを僕はすごく尊敬しました。
はじめはヤンキーという道にいた小さな人だったのにたった一人との出会いがここまで人生を変えるんだなと驚きました。
それで、嗣さんの友だちだった4人の人が学校を退学になって気持ちが不安定になった時に、嗣さんのお父さんが言った言葉が僕はとても印象的でした。
「人の成長はなあ・・山登りなんや。最初は楽しく登っている。けど山はすぐに天気を変える。濃い霧が視界を遮り、自分がどのくらいの場所にいるのかすら分からなくなるんや。どっちをむいても霧ばっかり。下を見ればゴツゴツした岩。今お前はそこにおる。辛いと思う。でもそれでええ。そのまま登り続けてみい。いつか霧が晴れる。そしたら自分が登ってきた険しい道のりが見える。その時初めて「ああ・・俺は成長したなあ」って自分で思える。その時まで、登り続けてみい。」この言葉は僕もこれから忘れないで目標としていこうと思っています。
Iさん
送ってもらった本、読みました。あの本を生徒が作りたいと言い出し、本当に創りあげたということにまず感心しました。
自分の辛い過去を見つめ、書き留めた生徒たちの成長は素晴らしい。でも、それ以上に、親や周囲の何気ない一言や態度がここまで子どもたちを追い込むのだということが頭では分かっていたけど、現実のものとなってすごくショックでした。
まじめで賢い優等生タイプのわが子が、いじめられっこにならないだろうかとか親を悲しませないために無理していようとしすぎて、自分の中に辛さを溜め込んでしまわないだろうかとか小学校に上がってからの子育てに不安を感じてしまいました。最近のニュースではいじめの問題や公教育の問題点ばかり聞いていて、学校の楽しい話を聞かないからよけいに不安なのかも。
子育てにどっぷりの今の私にとっては、生徒の感動の成長記録というよりは、将来自分が親として向き合うかも知れない現実を突きつけられた本でした。
溝渕さん(高知)
相談会で購入しました“しょげてんな!!”よくここまで自分を見つめて書かれたと驚き、感動、すごさ、どう表現してよいか言葉で言えない読みごたえがありました。
小島佐代美さん(宇和島)
子どもたちの正直な生の声が聞けてとても感動しました。私は学校の相談員をしています。3名の方に贈りたいと思いました。是非、この本を通して元気になってほしい。引きこもり、ニートの人に特に学校生活の楽しさ、喜び、達成感、そして、自己肯定の道を求めてほしいと思いました。
00さん
「楽しくなければ学校じゃない」この言葉を何年も言い続けてきました。生徒たちの生の声が心に響きました。飾らない言葉、自然体の言葉だからこそ本当の心の中が見えてきます。1冊は我が家に、もう1冊は不登校の「フリースペースあかね」に寄贈します。
シャローム!(札幌)
いい本、拝見しました。涙で何も見えなくなりました。
嗣君は、ほんとに大きくなりましたね。他の人たちもきっとそうなのでしょう。こんなに成長させてくださって神様ほんとにありがとう!
嗣君や14人の仲間たちの応援団はたくさんいます。私もそのひとり。無理せず、自然体で、でもちょっとだけがんばろうね。先生方もほんとうに辛かったでしょう。ご両親にも心からエールを送ります。
15期・松村(旧姓:平野)悦子さん
正直、この本を開くまでは「いつもの成功例」(TV等でよくみかけるあの類)なのだろうと思っていました。ところが・・私の想像を遥かに超えるところで、彼らは真摯に「自分の人生」と向き合い、それを「自分の言葉」で伝えようとしていました。彼らは紛れもなく、今「生きている」、そして「生きよう」としています。
時代を隔てても「北星余市に流れる空気」を彼らと共有できたことを嬉しく、そして誇らしく思います。本を読み終えて、「北星余市の卒業式」に出席したくなりました。OBとして、親として是非読んでいただきたい1冊です。
在校生の父・長谷俊也さん
こんなに感動した本、こんなに涙が流れた本に出合ったことがない。生徒の一言一言が心に残り、文字の奥に隠された現実や心の声に泣かされた。ひたむきな姿、自己との格闘、叫びに涙が溢れた。
そして、人間ってすばらしい。やればできるという確信も与えてくれた。わが娘がスキルアップした背景も教えられました。彼女の輝きや遠望の根拠がこの本にはある。
娘を北星余市に送って、本当に良かった。先生方、先輩の皆さん、よき伝統をありがとう。がむしゃらさとひたむきさ、連帯、ファミリーな伝統をありがとう!!是非「道新文庫」に選考され、すべての中学校へ届けてほしい。感動をありがとう!!涙がとめどもなく流れ、まだ全編を読み切れていません。