実生活について
実生活について
北星余市に来る前の自分は、ヤンチャをやってたわけでも、引きこもりをしていた訳でもなかった。ただ、兄が学校に行って無かった事で田舎の中学では普通ではない奴だと思われてた。でも、家族は兄が中学に行ってなかった事は何も問題のない事だし、自分も兄を理解をしていた。
でも、周りの先生や友達に中学の狭い社会でいう普通を演じる為に家族を悪く言ったりする事があったりと「無理して取り繕って生活して行く意味はあるのか?」と思う気持ちが大きくなって、中1の後半から兄の行っているフリースクールに行く事にしました。そのフリースクールの恩師からの勧めで、北星余市を紹介して頂きました。
北星余市に入る前は、不良だらけのところに自分なんかが入って大丈夫なんかな?イジメられる?って思ってました。(笑)でも、入ってしまばそんなに深く考える事も無かったなと思います。みんな、なんだかんだで、いい人だから。
北星に入ってからは、札幌から通学、余市で寮にも入ってました。学校では軽音部に入ってベースを弾いたり美術部に入ったりと広く浅く色々な所に顔を出してました。ベースに関しては、年がら年中弾いてましたね。特に力を入れていたのは、美術部でした。自分を見つめるいい場だったと思います。
北星余市で思いでは、やっぱり強歩ですかね。先輩方が『強歩は70㎞歩いとけ、後々力になるから』って言ってた事が、高校を卒業してから分かる様になりました。自分は足を事故で痛めてたんですが、そんな自分でも、足を引きずりながらでも歩ききることが出来た達成感は、仕事で挫けそうになった時に自分を奮い立たせてくれます。
自分にとって北星余市は自分らしく居られた場所でした。考えや思いを本気で相手にぶつけ合って、考えて、見つめ直して。本当に自分の人格を形成していく中での基礎を造ってくれた場所です。
今、自分は職人に成るべく京都に出て、京仏師の弟子として修行の日々を過ごしています。彫刻は長丁場なんで、とにかく自分との勝負です。その時に強歩の事をよく思い出したりします。歴史に残る仕事だったり、代々の家宝になる仕事。毎日、大変ですが、やり甲斐のある仕事です。
社会は重苦しい。個性を伸ばして行きましょうと言ってる反面、従来の固定概念を押し付けている様に思えます。枠の中で与えられた個性でしか無い。人格形成されていく若い世代にこそ様々な生き方を偏見の目も無く見せてあげた方がいいのでは?
今、社会に適応する為に自分を押し殺して、心がマヒしてしまう前に、もう一度、考え直してみて欲しい。自分がなんなのか?とても体力のいる事でもあるし、勇気のいる事だけど。何かに気付けたらそれに少しでもいいから、近づけられるように努力して欲しい。思い通りにはならないけど、やった通りにはなるから。
北星学園余市高等学校
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