実生活について
実生活について
私は中学校の頃道を踏み外し、許されないことばかりしてきました。自分の身体を大切にすることも、人の気持ちを考えることも、家族の大切さも、何も分からず非行の道へと落ちていきました。家族とは家庭環境の複雑さからのすれ違いで、取っ組み合いや言い争いが絶えず気づけば1年近く家にちゃんと帰らない生活が続いた時期もありました。楽しさに流され、なのに絶望的な気持ちで毎日過ごしていたのを覚えています。
当時は自分で自立できる!1人で生きていける!と、なぜか根拠のない自信がありました。そして中学3年生になり、親から施設へ行くか北海道へ行くか選べと突きつけられ、すぐに辞めてやる!と思いながら北星余市へ入学を決めました。
最初のうちは群れることを嫌がり、寮の友達でさえ避けていました。中抜けをしたり、反抗してみたり、浜でタバコを吸ったり…何度ももう無理だと投げ出し地元へ帰る支度を繰り返しました。そんな私の話を親身に受け止め、時には叱ってくれたのは、先輩、担任の先生、そして友達でした。私は何度も同じ過ちを繰り返し、向き合わず逃げ回りました。その度に私と向き合ってぶつかってくれた人、泣いてくれた人達のおかげで、今の私があると思っています。寮生活では、何か悩みがあれば夜通し語り合うこともありました。
そして北星余市で学べた何より大きかったことは、家族の大切さに気付けたことです。当時はほとんど口を聞くことも顔をあわせることも拒みました。けれど一番苦しかった時、そばで支えてくれたのはお母さんでした。何度も何度も傷つけてしまったのに、泣いている時は「お母さんはいつでも優希の味方だからね」と言ってくれました。自立するなんて甘い考えだったと思うし、思い返してみると家族には数え切れないほど救われていたと思います。自分の部屋にはお母さんから送られてきた手紙がたくさん溜まっていました。今ではお母さんと手を繋いで歩くほど仲良しです!入学当初の頃では考えられません。
北星余市では、本当に人間らしい生活ができます。お互い本心でぶつかり合い、打ち解けて行く。「北星に来れば変われる」ではなく、「北星に来て自分が変われば周りも変わってくる」ということだと思います。私は当時「つまらない」「めんどくさい」が口癖でした。けれど「面白くするかしないか、楽しくするかしないか、全ては自分次第で変わる」ということ、受け入れる素直な心と人の為に何かをすることを北星は教えてくれました。
今現在では大学へ進学し映画やテレビ制作の勉強と共に、英語や韓国語の語学を学んでいます。アメリカへの短期留学を果たし、大学の留学生達と交流を深め来年の長期留学へ向けて日々勉学に励んでいます。学校と勉強がこんなにも楽しいと感じられることに感謝しているし、進学させてくれた親にもとても感謝しています。
毎日充実し、目標をもった日々を送れているのは、北海道での経験があるからだと思います。
人を見た目で決めつけたり、過去に過ちがあると偏見する社会がこれからもっと理解ある社会へと変わっていくことを望んでいます。
そして、今悩んでいるあなたへ。絶対に諦めないで欲しい。何度道を間違えても、やり直せることを忘れないでいて欲しい。相手に期待するばかりでは無く、自分に期待すること。自分が変われば、必ず周りも変わってくること。意地を張らないで、素直になること。時間はは本当にあっという間なので、一日一日を大切に過ごして欲しい。
北星の変わった先生達は、いつでもあなた達を待っています!(笑)
北星学園余市高等学校
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