純生が行く!❶
函館圏フリースクールすまいる

2020.07.20 コラム

北星学園余市高等学校校長

平野純生

SUMIO HIRANO

「フリースクール」を知っていますか? 「学校に馴染めない」「なんとなく居場所がない」そんな子どもたちが集まれる場所です。余市高校ではフリースクールに通っていた子どもたちを積極的に受け入れています。
今号からスタートした「純生が行く!」は、余市高校の校長、平野純生が道内の様々なフリースクールへ出向き、今の教育や子どもたちについてお話を伺います。今回は「函館圏フリースクールすまいる」へお邪魔しました。

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フリースクールすまいるは、特に決まったイベントはありません。好きな時間に来て、好きな時間に帰ります。茶の間でゲームをしたり、ともだちとお茶を飲んだり「。勉強したい」と言えば先生が授業をしてくれます。子どもたちが自由に過ごせる場所。子どもたちはまず、ここまで来てもらうのがゴールです。

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代表の庄司証(あかし)さんは、小学校の先生になりたいという夢を持っていました。しかし、先生の仕事は思ったよりも雑務が多く、生徒1人ひとりと向き合っている時間がありません。庄司さんがやりたかったこととはかけ離れていました。そんな中行き着いたのがフリースクールです。2001年から七飯町のフリースクールで働き始めましたが、2011年に閉校。函館圏に不登校を受け入れられる場所がどこにも無くなってしまうと立ち上げたのがフリースクールすまいるです。

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現在は約40名の子どもが登録。常勤スタッフが1名、ボランティア2名で運営しています。勉強したい気持ちがある子どもには積極的に授業を行い、毎年1~2人が高校卒業認定を取得。余市高校にも過去に2名の入学者がいます。
「学校になじめなければ、家庭に居場所を求める場合が多いです。平日の昼間、小学生が1人でいられる場所はありません。特に小さな町ではなおさらです。そんな子どもたちのために、新しい居場所を作ってあげることが必要です。」と庄司さん。函館圏でたった1つのフリースクールは、子どもたちの大切な居場所として大きな役割を担っていました。

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