「本の紹介」星しんぶん 第8号
[2020年12月発行]

2020.12.16 コラム

2020年12月発行発行

星しんぶん

hoshiii


大人はみんな
嘘つきです

誰かの嘘で自分の人生が狂っちゃう。そういうことがある。〇〇詐欺だとか、〇〇商法とか、あからさまに騙してくる人もいるし、巧みに本当の中に嘘を紛れ込ませて騙そうとしてくる人もいる。「そう簡単には騙されないぞ!」ってみんな思ってるかもしれないけど、みんなは大人に騙されているかもしれないよ。大人は自分でも気がつかないうちに嘘をついているのかもしれない。大人はあたかも本当の事、大切な事のように思わせながら、実は、自分も不安だったり、自信がなかったりする事がたくさんある。それに、本当に嘘つきの悪い大人もたくさんいるから、君たちは自分で気をつけなければいけない。何を気をつけるのかというと、騙されるときには、自分自身がよくわかっていない部分を突かれる場合が多いから、きちんと自分が理解することが大事です。そこで、君を守ってくれる「法律」についてまとめてある本を紹介します。やってはいけないこともわかりやすく書いているから、読んでみて欲しい。

『こども六法』

著:山崎聡一郎/絵:伊藤ハムスター
弘文堂

Amazon


嘘みたいな本当もある

モリーという小さな女の子が、もじゃひげ船長率いる悪名高い海賊船に捕まってしまいました。モリーは恐ろしい海賊たちに「そんなことしたらひどいめにあうわよ!」と叫びます。海賊たちは誰もそんなことを信じません。続けてモリーは「わたしのママのなまえをきいたら、あんたたち、こわくておじけづくわよ!」と。海賊たちは大笑い。小さいこどもの戯言だと誰も相手にしませんでした。でもね、モリーの言っていることは本当だったんだ。小さいからって、嘘か本当かなんてわからないよね。

『もじゃひげせんちょうとかいぞくたち』

文:コルネーリア・フンケ/絵:ケルスティン・マイヤー
訳:ますがちかこ/WAVE出版

Amazon


自分に嘘をつかない強さ

LGBTって聞いたことありますか? 「性的少数者(セクシャル・マイノリティ)」と呼ばれる人たちの総称です。「自分の中にある本当のこと」が誰からも受け入れられない(もしくはバカにされる)っていうのは苦しい。だからといって、黙って自分を押し殺してしまっていても解決できない。とても難しい問題です。この本は、自分の中にある本当のことを様々な人たちと協力して、権利を勝ち取っていく歴史が書かれています。誰も嘘をつかないで生きられる世の中の方がいい。

『LGBTヒストリーブック絶対にあきらめなかった人々の100年の闘い』

著:ジェローム・ポーレン/訳:北丸雄二

Amazon


嘘も本当も全部自分の中にあるんだよ。

永島正人さんの絵と二宮さんの文の組み合わせが最高な一冊です。「すき」って言われるよりも「きらい」って言われた方がドキっとするのはなぜでしょうね。嫌われたくないからかな。でも、きらいって、目をそらしたいような、実は見つめていたいような、そんな感じ。それに、きらいっていう気持ちって、好きよりも直感的に決めてしまっているような気がします。自分の中のきらいの理由を考えてみると、くだらない事ばかりだったりするの。そのくだらないをもう少し掘り下げてみると、自分の中のコンプレックスと関係があったりして、考えてみると意外と面白い。この本には、読んでいてクスッとしながら、どこか安心してしまうようなきらいがたくさん書かれています。嫌われたくないから、嘘ついちゃったり、同調しちゃったりすることもあるかもしれない。それに一番気がついているのは自分自身。それが嘘か本当かもわからなくなっちゃったら気をつけてくださいね。

『きらい』

文:二宮由紀子/絵:永島正人/解放出版社

Amazon

PAGE TOP