「遊ぶ約束」という言葉の響きは懐かしさを感じる。小学生の頃の記憶が蘇る。基本的に僕の過去は黒い（暗いではなく黒い、ここ重要）ことしかないので、すぐ闇に葬り去るのだが、今回は珍しく昔話でもしようと思う。

小学生の頃の話。僕は遊ぶ約束をしていた。約束をした一人はR君。R君は僕と非常に仲良くしてくれたのだが、少し荒々しく、セコい性格をしていた。鬼ごっこで「明らかにタッチしてるだろ！」ってときにもズルして逃げ続けるし、当時先生からキツく注意されていて僕が恐れていた行為である「買い食い」を平気でしていたし、火でそこら辺の草とか燃やしていた。嫌いではなかったが……怖かった。実はそのとき、R君と遊ぶ約束をしたあとすぐにH君にも誘われていた。H君（とその周り）はとにかくガキンチョといった感じだったが、それに負けないほどのガキンチョであった僕は、H君達といるほうが居心地が良かった。先に約束したのはR君だったが、「義理人情なんて知らんがなボーイ」だった僕は、居心地の良いH君達と遊ぶことを選んだ。僕はR君との約束を破ってしまった。しかし、小学生が遊ぶ所なんて限られているわけで、僕はR君にあっさり見つかった。R君は「もういいわ」と言ってどこかへ行ってしまったのだが、次の日、昨日のことを忘れたかのように（本当に忘れていた？）、いつもと変わらず接してくれた。僕はだんだん申し訳なくなって、ただ泣きながら謝った。

そんな出来事から約10年、僕はまた一つ約束を破りかけている。「約束」というテーマの作文を800字、自分のプロフィールを100字書くのをゴールデンウィーク明けまでに提出するという約束だ。現在は5月7日（木）。ゴールデンウィークはもう明けてしまった。今回の約束は破ったらタダじゃ済まされなさそうなので今必死にやっている。というか終わった！ また泣きながら謝ることにならなさそうで良かった。

文：島崚佑