「放課後」の過ごし方

2021.07.14 コラム

後志管内で活躍中のソーシャルワーカー

吉村寿人

HISATO YOSHIMURA

みなさんは「ロングホーントレイン」をご存じだろうか『キン肉マン』に登場するバッファローマンとモンゴルマンが繰り出す合わせ技である。えっ? 知らない⁉ まぁ、いい。私は高校生の頃、よくこの「ロングホーントレイン」を繰り出していた。そう、キン肉マンドンジャラでだ。「ロングホーントレイン」という役は、123456789と1〜9まで一枚ずつ揃えるのである。結構簡単にできてしまうので、我々の間で自然とアガリ役として認められなくなってしまった。

私は「放課後」というと、この「ロングホーントレイン」を思い出してしまう。部活を引退し、よくナカイ君の家に4〜5人で集まって、ドンジャラをしたり音楽を聴いたりして過ごしたものだ。社会人となり、福祉系専門学校の教員の職に就いた。ここにも「放課後」は存在した。学生たちは、体育館でバレーボールをしたり、紙芝居を作ったり、ピアノの練習をしていた。私にとっては講義の準備や事務作業をする時間であった。また、学生の相談に乗るのもこの時間が多かった。さて、私は今、社会福祉の現場でソーシャルワーカーとして働いている。今の私に「放課後」はあるのだろうか? 考えてみれば、あるといえばある。就業時間終了後のスタッフとの何気ない会話の時間や、職能団体や多職種連携での会合である。

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「放課後」の過ごし方は、人それぞれだと思う。自室で好きなことをしてもいいし、友達と遊んでもいいし、部活やサークル活動を頑張るのもいい。アルバイトに精を出し、職能団体の会合に出てもいいのである。学校でもない、家でもない、時間の制約がありそうでなさそうな、空間的・時間的な曖昧さが「放課後」にはあるのだろう。夕方の空が青からオレンジへとグラデーションになるような曖昧さの中で、君たちはどんな「放課後」を過ごすのだろうか?

文・写真:吉村寿人

 

プロフィール

吉村寿人 | Hisato Yoshimura

特定非営利活動法人しりべし圏域総合支援センター「くらし・しごと相談処しりべし」主任相談支援員(社会福祉士)。1980年生まれ。最北端の街・稚内市の出身。北星学園大学を卒業後、道東方面で仕事をしていました。現在は生活困窮者自立相談支援機関のソーシャルワーカーとして、後志管内を駆けまわっています。

 

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