北星余市を紹介、生き方を考えるウェブマガジン
北星学園余市高等学校校長
平野純生
SUMIO HIRANO
大阪高槻の山の中にあるフリースクール。古い一軒家を借りて開設していて、通っている子どもたちはいくつかの部屋でそれぞれ好きなことをして時間を過ごしています。防音環境を整えた音楽ルームではバンド演奏を楽しんでいました。大学生や元教員のボランティア約15名ほどに支えられ運営しています。大きな通りから少し離れた摂津峡という自然豊かな山奥にあり、「こんな山奥に、子どもたちはどうやって通っているんですか?」と質問したところ、「近くまでバスが通るのですが、高槻市内を巡回して送迎をしています」とのこと。週に4日運営していて、10時から夕方5時まで。いつ来てもいつ帰ってもよいのですが、ほとんどの子が最後までいるそうです。「隣に住む老夫婦から『元気に騒いでいいよ』と言ってもらっている」というお話が印象的でした。近隣住人にも支えられる良い環境なんだと思いました。
随分前から関わりのある「エルムアカデミー」さんがかかわっている事業です。コロナ禍の「親が自宅でリモートワーク、学校は休校」という状況で、家の居心地が悪い子どもたちが多く通っていたそうです。報道でも虐待の増加が伝えられていましたが、ここでもそんな話を聞きました。近々移転するそうで、「今はワンフロアだからじっくり相談を聞ける環境ではない。特に女の子の相談は、隣で男の子がゲームの話で盛り上がっていたりすると難しい」とのこと。移転先は部屋がいくつかあるので、落ち着いて個別対応できそうと話していただきました。このような若者支援の事業も金額での入札が増えてきて、ビジネスの視点で参入してくる事業者が増えている実態に、「教育を金銭面だけで判定されるのは本当に困る」といったお話もしてきました。