北星余市を紹介、生き方を考えるウェブマガジン
北星余市高校英語科教員
鈴木恭子
KYOKO SUZUKI
日本語はムズカシイ。ひらがな・カタカナ・漢字があって、地域や年齢、性別、場合によって語を使い分ける。日本語はオモシロイ。外国語をバンバン入れる。名詞「イクラ」「天ぷら」や動詞「サボる」「バイトする」も。外国語だらけでも文にしてしまう。「アフターヌーンのティータイムはゴディバのチョコとエスプレッソでエンジョイ!」ほらね。この面白さにハマり将来は海外で日本語教師ダ!……のはずが、縁あって北星余市高校の英語教師となり早4半世紀。日と英の違いはあるものの今もコトバの楽しさにワクワクする日々。
北星余市にも日本語以外の言語で生活してきた生徒が来る。彼らは学校や下宿で生活に順応していくが、言葉以上にスポーツや音楽を通じてあっという間に「仲間」ができる若者たち。この力、すばらしい。近年、日本語指導を必要とする学生・児童が道内でも増えているが、進学はとても困難だという。そんな若者にとって、北星余市が彼らの居場所のひとつとなるかもしれない。数年後には高校で日本語の授業が正式に単位化されそうだとも聞く。自分も何か役に立てるかもしれない。そう思って、とある教室の門をたたいた。
「小樽日本語サポートクラブ・ONSA」は、小笠原康子代表のほか、ボランティア学習支援者と呼ばれる講師11名が所属。「小樽在住外国人を対象とした日本語教室」は、1995年度から毎週水曜日10:00~11:30、小樽市生涯学習プラザで開講している。2021年度の学習者は前後期合わせて13名、彼らの出身国はアメリカ、イギリス、インド、オーストラリア、カンボジア、中国、ロシアなどさまざま。「私の名前は」から始まって、「おかげです・おかげさま」の違いなどレベルもさまざまで、個々に合わせた内容を日本の行事や文化にも触れながら進めていく。
現在私は学習支援者の一人としてこの教室に参加しながら、日本語指導の勉強をやり直し中だ。言葉の問題で行き先が見つからず悩んでいる若者たちに、どうか居場所が見つかりますように。そしてここ北星余市にも、一緒に笑って過ごせる仲間がいるよ、と教えたい。言葉の壁を感じない楽しい仲間がきっとできるよ、って伝えたい。
文・写真:鈴木恭子
鈴木恭子 | Kyoko Suzuki
北星余市高校英語科教員。日本語指導については、大学で日本語教授法を学び、日本語指導者養成420h課程を修了。1995年アメリカ・インディアナ州、デュポー大学日本語学科に学生アシスタントとして留学。