北星余市を紹介、生き方を考えるウェブマガジン
連日金縛り
佐々木菜月
NATSUKI SASAKI
恋はよくわからない。そもそも人間関係は、えたいが知れない関係であって、とても怖い。当たり前だけど、相手も自分もお互いの心を完全に理解し合うなんてことは不可能。その不明な部分で一体何を思っているのか。もしかすると聞くに堪えない汚い言葉があるのかもしれない。そんなことを考えたら、ひとりが一番って思う。だから恋人は求めていないし、新しい友達も求めていない。用心深くて純潔な乙女で、今にもバラの香りが漂ってきそうでしょ。でも実際は、臆病でわがままな、幼稚な人ってだけ。
そんな私にピッタリなのがぬいぐるみ。自分の理想を押し付けられるし、文句も言わない。ネガティブな感情になるような言動が返ってこないから、本当に都合がいい。たとえそれが愛情や絆、信頼などを深めるために必要なステップだとしても、私はそれをスキップして深い愛情を得たい。というよりかは、私の愛情を認めさせていることになる。これは相手が生きていないからこそであって、ぬいぐるみはそれが可能だから、私にジャストフィット。
恋人関係もこんな感じ?お互い都合のよい時だけ仲がよくて、それ以外は別にって感じ?でも恋愛漫画では、四六時中恋人のことで頭がいっぱいになってるし、実際は私が思っているより、ロマンチックですてきな関係なのかもしれない。デートスポットを見ても、カップルのきらびやかな関係が見てとれるわけだし。
そもそもなんで、未知なるものをはなから恐怖っていうマイナス方向に捉えているのか。プラス方向に膨らませて、「ロマンティックが止まらない」でも全然いいはずなのに。小学校の時に友達に裏切られた時のショックからいまだに立ち直れていないのか、私の中で人間関係は怖いものという認識になっていて、いつもマイナスに物事を考えている。そのほうが、突然の出来事に対して少ないショックで済むし。
だけどもしこのショックから立ち直れたら恋をするのだろうか。物事には時期というものがあると思うけど、きっと私はまだその時期ではないのでしょう。とは言いつつも、別に恋はしたくないとか思っているけど。今はね。
文・写真:佐々木菜月
佐々木菜月 | Natsuki Sasaki
わりと何でも好きで、わりと何でも嫌い。最近は連日金縛りにあったりしましたが、毎日楽しく過ごしています。この前初めて知った言葉「雲湖朕鎮」。しっちゃかめっちゃかな時こそ冷静にという感じ。おもしろいね。