カメラマン美穂子
表紙写真の裏ばなし

2023.07.18 コラム

写真家

辻田美穂子

MIHOKO TSUJITA

前回、この表紙を一緒に作ってくれるメンバーを募集したところ、さっそく軽音部のみんなが立候補してくれました!さらに今回は、この星しんぶんを作っているデザイナーであり、元バンドマンの石田さんも来てくれたので、もう鬼に金棒!

最初はそれぞれいつもの持ち場についてくれた軽音部のメンバー。「なんかかっこよく見せるにはどうしたらいいかな~」と私がつぶやいていると、ギターの及川くんが「じゃあドラムは前に腰掛けたら?」と提案してくれたので、ドラムの浅野くんはバスドラムの前へ。次はボーカルの向成くん。最初はマイクスタンドの前に立っているだけでボーカル感も出ていたのですが、「無しだとどうかな?」ということでマイクスタンドを取ってみると、突然毛を刈られた羊のような寄る辺の無さに。「ステージに座ってみたら?」という石田さんの提案を試してみたところ、無事それっぽくなってひと安心。特にポーズはとっていないのに、「立つ」と「座る」でものすごく雰囲気が変わります。満陽くんの持っているベースにはストラップがついていなかったので、自然と座り一択に。しかも、元バンドマン石田さんから「めちゃくちゃベースっぽい」とお墨付きをもらえたので、特に指示することはありませんでした。ただ存在しているだけで絵になるって、すごい才能ですね。ギターの及川くんは、求められているポージングをすでに理解してくれていたようで、これまたすでにいい感じ。更にボーカルの左手で持っていたマイクコードのニュアンスや、ドラムのスティックの持ち方など、他のメンバーの微調整までしてくれました。絶妙な調整具合に、スタッフ一同「彼は何者なんだ……」と驚きを隠せませんでした。最後の味付けに、「にらみを効かせよう」ということで、「最近ムカついたことを思い浮かべて!」とお願いしたところ、少し考えて「無いっすね」との返答が。(笑)「じゃあ、アゴ少しあげてみよう」と再び及川くんの声かけのおかげで、堂々としたパンクな雰囲気のバンドの完成です。ちなみに、新歓ライブで演奏した曲は、シンデレラボーイ、魔法の絨毯、ドライフラワー、夏色などパンクとは対極のしっとり&さわやか系。写真って不思議ですね。ちなみにこの中面の写真は、調整前に撮った一枚なので、できあがりの表紙と見比べてみてください。写真マジックにかかってみたい人、引き続き募集中です!

文・写真:辻田美穂子

 

プロフィール

辻田美穂子 | Mihoko Tsujita

大阪から移住した写真家。北星余市でのたくさんの出会いを通して人生が変わったひとりです。今年の春に余市からせたなに引っ越して子育てしながら、時々赤ちゃんを背負って撮影に出かけています。

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