北星余市を紹介、生き方を考えるウェブマガジン
デザインユニットK²
恵太郎
KEITARO
中学生の頃から学校が楽しくなく周りの同級生とのギャップを感じていた私は、2022年夏から翌年の夏までの1年間、イタリアのローマに留学した。料理が好きでイタリアを選んだため、留学先ではミシュラン一つ星レストランでインターンをしたり、いろいろな国の人と友達になったり、現地のサッカーを見にいったりと、とても充実した1年だった。今回の留学で私は35カ国以上の人と友達になった。
その中で一番感じたことは、美味しい食事さえあれば、言葉はなくとも世界平和は不可能ではないということ。留学を通して、自分の料理で地球と、1人でも多くの人のことを幸せにできるようになることが私の夢になった。私は留学前から、気になっている大学が2つあった。どちらも「分子ガストロノミー」という食材や調理法を科学的に分解して再構築するという学問を学べる大学で、イタリアとスペインに存在する。日本に帰国してから、いくつかの壁にぶつかった。大学はどこに行くのか?入試方法は?大学の推薦を受けるための評定は足りているのか?しかし、私の通う日本の高校が指している「大学」は、いわゆる「日本のふつうの大学」の事。留学前から、海外の大学への進学に関しては先生方からのサポートは期待しないでほしいと言われていたのでそこは問題ではないのだが、周りの同級生はそうはいかない。毎月のように模試の案内が来て、参加しない人だけ理由と共に学校に報告しなければならない。授業の内容も、だんだん共通テストの過去問や模試の過去問の解説が増えてくる。元々学校に行っている理由がわからなくなって留学したのだが、帰国してもそれは変わらない。今も私は、迷いながら自分のやりたいことへの道を探っている途中だ。私のことを応援してくれている人、これまでお世話になった人に胸を張れるよう、自分のやりたいことに向かってまっすぐ進んでいく。
文・写真:恵太郎
恵太郎 | Keitaro
2006年生まれ。7歳の時に父の友人で寿司職人の方と出会い、それから料理人を志す。2022年夏から翌年夏までの1年間イタリアのローマに留学し、現地の料理学校に通いながらイタリアの生活を満喫。帰国してからは迷いながら日々生活中。恵庭グランマでイタリアンコース料理「KEITALIAN」を不定期開催。デザインユニットK²を高校の同級生と組んでいる。