北星余市を紹介、生き方を考えるウェブマガジン
主催:北星学園余市高等学校 後援:余市町 / 余市町教育委員会 / 余市商工会議所
こどものちから、地域の力 みらいフロム島根県隠岐島
2017年1月28日(土)13:30〜17:00
2017年1月28日(土)に開催された、高校魅力かプロジェクトについて考える講演会についてです。
日時:2017年1月28日(土)13:30〜17:00
場所:余市町中央公民館3階 301会議室
イベント名:こどものちから、地域のちから 余市町の魅力再発見!みらい フロム 島根県隠岐島
講演:株式会社プリマペンギーノ 代表取締役 藤岡慎二
主催:北星学園余市高等学校
後援:余市町 余市町教育委員会 余市商工会議所
Special Thanks
余市ライオンズクラブさま
余市町議会議員のみなさま
余市教会さま
北星学園余市高等学校協力会さま
2017年1月28日(土)余市町公民館にて「こどものちから、地域の力 余市町の魅力再発見!みらいフロム島根県隠岐島」というイベントを開催しました。タイトル、長いですね。すみません。
要は、現在、全国11ヶ所で取組まれている高校魅力化プロジェクトについて学ぼう!そして、考えよう!そんなイベントです。
講師は株式会社プリマペンギーノ代表取締役の藤岡慎二さん。この高校魅力化プロジェクトを中心になって進めておられる方です。
地方都市における高校の存在意義って考えたことありますか。いや、僕はこの職業でなければ考えたことなどなかったと思います。単に「高校生が学ぶ場」に限らない、地域の生活のあり方にも関わる大きな問題らしいのです。
人口減少と少子化、地方都市の中学生が都市部の高校に通う傾向にあるのは日本全国で起こっている状態のようです。ほぼほぼ。
そうなると、地方都市、特に過疎地域にある高校からどんどん学校の統廃合が進んで行く。
私たち余市町にある道立の余市紅志高校も御多分に洩れずです。2010年度は137名の入学生でしたが、2016年度春の入学生が30名台。私たちが人様のことを言える立場にないことは重々承知の上ですが、この流れは危機的状況だと思います。北星余市も青息吐息。公立高校もこのままでは危ない。黙っていているだけでいいのかな、と思うわけです。
そういう現象が全国で起こっている。今、日本では1年間に約60校の学校が統廃合されているというのですから、驚きです。そして、そのほとんどが地方都市の高校。都市部はむしろ増えたり、新設されたりしてる。
「少子化だから高校がなくなるのは当たり前。地域に高校がなくなっても、バスで30分、1時間かけて通えばいいよね」なんて思っていると、ちょっとそれだけではすまない話になりそうなんです。
藤岡さんのお話によると、高校がなくなると町の人口が減るんだそうです。高校がなくなることで、人口が従来の3分の1まで減ってしまい、高齢化率がグンっ!と上がった事例がある。
端的に言えば「うちの町に高校ないしさ。通うの大変だよね。高校入学決まったら近くに住んじゃおうか」「いや、どうせなら、中学校や小学校のときから、高校のある都市に住んだ方がいいんじゃない?」なんてことになる。そういう人口流出が起こる。すると、学校という場所は、生徒人数に応じて配置される教員数が決められていきますから、小学校中学校の教育環境も弱ってくる。なおのこと、子育て世代が流出する。すると、人口が減り、医療や行政サービスだけでなく、産業全体が弱ってしまう。そんな事態に陥る地方都市が多くあるそうです。それは、つまり、高校が、地域を存続させるための「防波堤」の役割を担っている。藤岡さんがおっしゃっていた印象的な言葉でした。
ピンチはチャンス。そんなときだからこそ、地域にある高校として、その地域でしかできない魅力的なカリキュラムに基づいた教育実践を行い、公設塾でプロジェクト型学習等を通じて力を高めて、子供達の成長を促して行く。魅力的な教育環境があれば、わざわざ外の高校に行くということはなくなる。外から、そうした教育を求めて人がやってきてくれる。地域の大人たちが高校教育に関わる。地域を舞台に教育が展開されて行く。子どもたちも地域のことを大切に考えてくれるようになる。学校を魅力化する教育カリキュラムを通じて、地域の産業も元気付いてくる。
そんな夢物語のような実践をしている地域があるとのこと。
とても、ワクワクさせてもらった時間でした。「やるか、やらないか。それだけです」と2回、強調して発言されていたのが印象的でした。
どのような取り組みをされているかは、下記のページからご覧いただければ幸いです。
今回のイベントにあたっては、余市町さま、余市町教育委員会さま、余市商工会議所さまにご後援をいただきました。また、余市ライオンズクラブさま、余市町議会議員のみなさま、余市教会さま、北星学園余市高等学校協力会さまに多くのアドバイスをいただきました。
おかげさまで、78名もの方がご来場され、有意義な時間を過ごすことができました。議会議員の方、役場の方、教員の方、一般町民の方、立場を超えて、教育と地方のあり方を考えるきっかけとなる時間であったと思います。後半の座談会では、余市紅志高校の教頭先生が熱く語ってくださったり、札幌新陽高校の校長先生が「覚悟から始まる」と印象的な言葉を残してくださいました。「一般の町民として何ができるのでしょうか」と講演を受けて考えてくださっている方もいらっしゃいました。
また、当日は、本校生徒のライブアクトもありました。日頃、お世話になっている地域の皆様へのささやかな恩返しのつもりで企画しましたが、逆に温かく見守っていただき、ありがたい気持ちになりました。
3年生の小林毘鞍くんは、北星余市にきてから取り組み始めたラップを2曲披露してくれました。披露してくれた2曲のPVは、彼が自身で立ち上げているYoutubeに掲載されておりますので、ぜひ、ご覧ください。
また、2年生の浅尾強嗣くんは、幼少期の頃から取り組んでいる民謡を披露してくれました。手前味噌ですが、本当にプロの方に劣らない腕前。とても優しく柔らかい歌声なんですよ。
今回の取り組みを機に、この魅力化プロジェクトについて再び考えて、ことを進めていきたいと思う所存です。今後ともよろしくお願い申し上げます。